機会損失を回避し利益を積み上げる意思決定
2017.05.08どういった戦略で粗利益を増やすかを検討するために管理会計が役立つの話
1.意思決定を誤ると機会損失が発生する
買いたいというお客さんがいて、売る側も売りたいと思っていても、値段交渉での利益算定を誤ると、儲け損ないが発生します。これを機会損失と言います。
2.設例1:機会損失を(丼もの食堂)で考える
前提条件
売価:700円/個、材料費:400円/個、人件費:5万円/日、経費:5万円/日、生産能力:500個/日(平均販売個数:350個/日)
①平均利益
売り切れにはなりませんが、毎日利益は出ているので、商売は続いています。1日の平均利益は、350個×(700円-400円)-(5万円+5万円)=5千円と計算されます。
②大量の弁当注文にどう応えるか?
ある日弁当100個予約の問い合わせが来ました。相手は何軒かの弁当屋に相見積もりを出していて、できるだけ安い値段で注文したいと言ってきています。交渉に臨むに際して、最低販売価格はいくらまでであれば商売が成り立つでしょうか? 追加発生費用は弁当箱代10円/個だけとします。
意思決定のための計算
一日の固定費(売れても売れなくても発生する費用=本例では人件費・経費)は変わりませんので、考慮する必要はありません。売上げに応じて変わってくる部分(=「変動費」といいます)のみで考えます。
1円でも儲けが出ればいいので、それを最低価格とします。(売価-400円-10円)≧1円であればOKです。よって、答えは411円以上であれば受けた方が得となります。
3.設例2:(行列のラーメン屋)で考える
前提条件
売価、材料費、人件費、経費、生産能力は設例1と全く同じ。ただし毎日売り切れます。500杯分のスープがなくなれば閉店です
③人員を増やして生産能力を上げる!?
人手が1人増えれば生産能力が50杯/日増加します。給料が1日いくら以内であれば人を採用すべきでしょうか?
意思決定のための計算
50杯×(700円-400円)+給料≧1円であればOKです。よって給料が1万5千円以内なら人を採用という意思決定となります。
4.数字により客観的に意思決定しましょう
正確な意思決定のためには正確な数字のデータが必要です。
会計も経営に役立ちます。せっかく作っている経理データはどんどん活用しなければモッタイナイ話です。
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