当事務所の所長・スタッフが不定期ですが情報を更新していきます。
損益計算書の並びを変えてみたら・・・・
2009/06/02
損益計算書(PL)から変動損益計算書(変動PL)に勘定科目の並びを変えてみると、いろいろ見えるようになります。
変動PLとは、PLを売上、変動費、固定費に「分解再編成」したもので、すべての費用を、売上の増減に伴って変動する費用(変動費)と売上が増減しても変動しない費用(固定費)に分けて表示する計算書です。経常利益は変わりません。
この変動PLは、通常のPLよりも、「経営者の意思決定に役立つ情報を提供する」という点で非常に優れています。
そして売上から変動費を差し引いた利益を限界利益といいます。
売上
△変動費
=限界利益 ←こんな感じ
△固定費
=経常利益
今回は変動PLについてはこのぐらいにして、この変動PLを使って「労働分配率」について書こうと思います。
今年に入ってお付き合いが始まったお客様ですが、借入金はなく、外部に返済するということはないのですが、お金がないお金がない、とおっしゃっています。
そこで変動PLを作成し、「労働分配率」を調べてみました。「労働分配率」は上記で述べた限界利益(付加価値)に対しての割合をいいます。
このお客様の業種の業界平均(黒字企業)が70~80%くらい。ところが、このお客様の労働分配率は95%。業界平均に比べて高すぎます。この割合をなんとか減らす努力が必要です。のようなことをお伝えいたしました。
しかしいったん人件費が決まってしまうと抑制は難しすぎますが、今すぐにでも、大なたを振るわなくてはならないかもしれません。
この数字ばかりではありませんが、この割合が飛びぬけて高かったので今回書かせて頂きました。
当事務所は、最後までしっかりサポートしていくつもりではありますが、もちろんお客様にも覚悟をして頂かなくてはなりません。
経営者は、常にこの「労働分配率」に目を光らせて行く必要があります。
ついでに言うと、労働分配率以外にも、変動PLから様々な情報がわかるのですが、業界の一流企業の比率をマネするだけで、御社も比率ならばトップ企業に引けを取らない会社となることでしょう(スタッフJ)。