もうすぐ納期特例時期、どっちが楽かよく考えてみよう!
2019.06.23毎月の業務vs年一業務、どっちが楽か?また、精神的にどっちの負担が少ない?の話
1.源泉所得税の納期特例の納付は年2回
給与等の源泉所得税は、原則として徴収した日の翌月10日が納期限となっています。
しかしながら、申請により、1月から6月分は7月10日、7月から12月分は翌年1月20日とすることができます。この手続きが「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」で、給与の支給人員が常時10人未満である源泉徴収義務者が申請できます。
新設会社で少人数とか、家族経営の会社等の場合には、毎月の申告と納付の手間を割愛できるお勧めの制度という説明を受け、適用しているのではないでしょうか。
2.資金繰りは大丈夫?
実際に6か月分をまとめて納付する場合、結構な一時金の出費となります。また、普段やらない業務ですので、ついうっかり手続きを失念してしまうこともあり得ます。
源泉所得税の申告忘れや納付の遅れにかかるペナルティは結構大きいです。
源泉所得税を納期までに納めなかったときの不納付加算税は、延滞日数にかかわらず(すなわち一日の遅れでも)、10%のペナルティです。
一定の軽減制度もありますが、気づかぬまま経過すると10%の罰金です。6か月分だと納付額も大きいので、その10%も結構な金額です。
さらに、納付期限の翌日から納付する日までの日数に所定の料率を乗じた延滞税も課されます。これらの罰金は、損金不算入(=会社の経費とならない)でダブルパンチの痛手となります。
3.自社が納期特例向きかどうかを考える
7月と1月の納期限の時期に、お金のサイクルから資金的余裕があり、かつ、申告業務を忘れない態勢となっている場合には、源泉税の納期特例向きと言えます。
また、年末調整で住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用を受ける社員がいて年末調整還付が大きい場合も、「源泉所得税の年末調整過納額還付請求」の手間を考えると、納期特例向きかもしれません。
4.特例をやめる方法とやめずに納付する方法
この納期特例をやめる場合には、「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなった場合の届出」を提出します。要件に該当している場合も、この書式しかありません。
なお、特例を受けたままで毎月申告し納付するという選択もできます。とはいえ、混乱をきたすので、シンプルにきっぱりと毎月手続きに切り替えた方がよいようです。