シリーズ勘定科目 受取手形勘定
2018.12.01手形の世界でも電子化が進んでいますの話
1.受取手形を取得した時に使う勘定です
受取手形には「約束手形」と「為替手形」があります。
約束手形とは振出人が手形の期日に記載された金額を支払うことを約束した手形です。
それに対して為替手形は、振出人とは別の第三者が手形の期日に記載された金額を支払うことを約束した手形です。
為替手形は金融取引に絡むものがほとんどで、企業の通常の取引ではまず見ることはありません。
2.割引手形と裏書手形
取得した受取手形は直ぐに銀行に取り立てに出し、期日になると銀行は手形を振り出した企業から記載された金額を引き落とし、手形を受け取った企業の口座に振り込みます。
期日までが長いと手形を取得しても資金として使えないため、銀行で立て替えてもらうことができます。これを「割引手形」と言います。
若干の手数料と期日までの期間の利息を引かれます。それが昔は「割引料」勘定でしたが、今は「手形売却損」勘定です。
また、受取手形の裏に自社の名前を書き代表印を押して、自社の支払いに充てることもあります。これが「裏書手形」です。
3.経理処理
①手形を受け取った時
(受取手形)1,000(売掛金)1,000
②割引いたとき
(現預金)900(割引手形)1,000
(手形売却損)100
③手形を裏書きした時
(買掛金)1,000(裏書手形)1,000
それぞれ期日が来たら以下の処理をします。
①そのまま持っていた場合
(現預金)1,000(受取手形)1,000
②(割引手形)1,000(受取手形)1,000
③(裏書手形)1,000(受取手形)1,000
4.電子記録債権
最近よく目にするのが「電子記録債権」です。
「電子債権ネットワーク」略して「でんさいネット」で管理されており、手形より信用度は高いとされております。
基本は手形と同じで指定日に支払いを約束するものです。
受取手形とは区別して「電子債権」勘定で管理します。電子債権の割引・裏書についても受取手形と同じ処理となります。